プレッシャーを受けないようにと中盤の底に配置されたチアゴは、ロングボールで両サイドの奥を突き、膠着状態になっていた試合を動かそうとした。この時間には既に完全な引き分け狙いでドン引き状態になっていたニューカッスルだが、危険を感じたスティーヴ・ブルース監督はチアゴを自由にさせないためにプレスをかけるよう指示を出した。それだけで、この2試合でリバプールに欠けていたものをチアゴが持っていることがわかる。

 チアゴが自由にプレーをすればドン引きの相手を崩すことが出来る。相手は、チアゴを自由にさせたくなければ、潰すために少なくとも2人を前に出さなければならない。それだけで状況は一変する。チアゴにプレスをかけるようにしたニューカッスルは、結局チーム全体で再び前に出ることになった。

 ニューカッスルが前に出てくることで、79分にはアリソンがビッグセーブをしなければ間違いなくスコアが動いた場面も生まれたが、リバプールとしては既にリスクを冒すことを終えたはずの相手のゲームプランを終盤になって崩すことの方が意味あることだった。

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