前半、5ー5のラインを敷いてドン引きしてきたウエスト・ブロムウィッチ・アルビオン(WBA)に対して、リバプールは決して焦らなかった。ゆっくりと様子を伺い、縦パスやクロスでゴールを期待したボールを入れ続けた。
リバプールとしては、シュートで終われずに相手ボールになることは全く問題がなかった。もしWBAがボールを持つことになれば、それがカウンターであろうとビルドアップであろうと、代名詞のゲーゲンプレスで取り返し、守備の形が整っていないうちに一気に襲いかかればいいからだ。むしろ、ひたすら11人で守られているよりも多少攻めてくれた方が好都合だ。
そんな中、12分という早い時間にサディオ・マネにゴールが生まれた。スペースが限られている中で、ジョエル・マティプからピタリと届いたボールを胸トラップして前を向き、そのままシュート。サイドからも中央からも、何度合わなくてもチーム全体で続けてきた、スペースの活用ではなく個人に点で合わせようとするプレーが実を結んだ。
このゴールによって、ここからは前に出なければならないWBAに対してリバプールがいつものようなプレーでゴールラッシュを見せる展開になるのかと思われたが、残留請負人のサム・アラダイス監督はそのまま5ー5で自陣に引きこもる選択をした。リバプールは引き続きハーフコートで試合を続けることになったが、2点目をもぎ取ることはできずに45分を終えることになった。
自慢の3トップを先発させたリバプールであっても、全員が引いて守るチームを相手にすると思うようにいかなかった。