■マラドーナの最高潮だった86年
後藤「ぼくとか大住さんとかは、世代的にもちょうどマラドーナが若い時に見始めて、晩年まで見たっていう、ちょうどいい時代の人だったもんね。ペレなんて晩年の何年間かしか見ていないわけだし。アルフレッド・ディステファノ、スタンリー・マシューズなんかはまったく見たことがない」
大住「映像でちょっとだけ、あるかどうかだもんね」
後藤「映像だってほとんど残っていないでしょ。だけどマラドーナは、10代の時から最後まで。ワールドカップに行けば4年ごとにマラドーナを見て、4年経てば、また予選を見たり。そんな感じで過ごしてきたわけだから」
大住「NHKがワールドカップの放送を始めたのが1982年なんだよね。その時はマラドーナは21歳で、ちょっとチーム状況も良くなくて、最後は退場になっちゃうんだけどさ。次の86年大会は、NHKの放送枠がもっと増えて、そのうえマラドーナは最高潮だったから、その姿を日本のファンはリアルタイムで見られたんだよね。大変な勝負の中で、彼が信じられないようなプレーをしてアルゼンチンを勝利へと導いた。あれはすごいインパクトだったよね」