■「チェンジオブペース、チェンジオブディレクション」
―ジョージ・ベストという選手を説明するとしたら、どんな表現になりますか?
大住「ジョージ・ベストはドリブルで相手に向かっていく。それで相手を違う方向にやって、自分はまっすぐに行くんだよ。昔、ジョージ・ベストが子供にサッカーを教えているビデオがあって、その時に彼が言っていたのは、“チェンジオブペース、チェンジオブディレクション”。つまり、スピードの変化と方向の変化。それを30分間ずっと言っていたね」
後藤「ジョージ・ベストの時代の映像を見ると、ドリブラーには天国だったよね。こっちがボールを持って、さあこれからドリブルをしますよ、っていうところから勝負が始まるんだよね。ディフェンダーは待っていてくれたから。今の時代は、その前の段階で来るから大変だよね」
大住「それはフロンターレのようなチームのアドバンテージで。ちゃんと前を向いて受けられるようなタイミングで、皆がパスを出してくれるからね。これが、頼むよって感じで、ガチガチにマークされているところにパスを出されると、ああいう風にはいかない」
―海外に行ったら潰されますか?
後藤「そんなことはないと思うけど。課題としては90分間プレーするプレーヤーにはなってほしいね。どうしても途中から出てきて大活躍した印象が強いじゃないですか?」
大住「たしかに今年はね。……先発するとダメなの?」
後藤「ダメではないけど。そういう使われ方をして、大活躍をした試合がたくさんあるから」
大住「でも日本代表としては使いようがあるんじゃない?」
後藤「使いようはあるんだけど。本人がもっと成長するためには、相手がフレッシュな時から、しっかりと主導権を奪えるようにね。そのために持っている技術が使えるように。今の家長昭博みたいな選手になってほしいよね」