露骨すぎるほど悪質な、相手を壊すためのタックルだった。舞台はカタールで集中開催されているACLで、餌食になったのはFC東京のディエゴ・オリヴェイラ。犯人は中国のDFだ。――日本のサッカーチームは、その初めての海外遠征から、中国のチームのラフプレーには悩まされ続けてきた歴史がある。
■ディエゴ・オリヴェイラが壊された!
カタールで開催されているAFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区の戦い。
なにしろ中2日の連戦が続く超過密日程なので、どのチームもフルメンバーで戦うことができないため勝ったり負けたりが続いて、グループステージではほとんどのグループが大混戦となってしまったが、日本から参加した3クラブはすべてグループステージを突破することに成功した。
しかし、ラウンド16で中国の北京国安と対戦したFC東京は0対1で敗れてしまった。スコアこそ僅差ではあったが、内容的には北京の外国人選手たちに翻弄されてしまっており、まさに「完敗」だった。
もっとも、FC東京が苦戦を強いられたのは当然のこととも言える。なにしろ、FC東京は上海申花との試合で悪質なタックルを受けて重傷を負ったディエゴ・オリヴェイラを欠いて戦っていたのだ。
昨シーズン以来、FC東京は攻守ともにディエゴ・オリヴェイラへの依存度が非常に高いチームだった。サイドでの献身的な守備。そして、自ら敵陣にボールを持ち込んで周囲を生かし、また自らも得点を狙う攻撃力。伝統的に強力な守備力を誇るFC東京の攻撃面はディエゴ・オリヴェイラから始まってディエゴ・オリヴェイラで終わった。
永井謙佑のスピードも大きな武器ではあったが、やはりディエゴ・オリヴェイラがいなくてはこのチームの戦力は大きく低下してしまう。カタールでの大会を通じて、GKの波多野豪やFWの原大智、MFの品田愛斗など若い選手たちが活躍したことは大きな収穫だったが、ディエゴ・オリヴェイラ抜きでアジアのタイトルを狙うのは不可能だった。