■「地域CL」のこれから克服したい課題
さて、将来のプロ化を視野に入れているクラブにとって、少しでも早くこの「地域サッカーチャンピオンズリーグ」の壁を突破して、JFLに参入することが必要となる。
ひとたび、JFLに昇格しておけば、ライセンスの要件を揃えて、チーム力を上げていけばJ3参入も可能になってくるからだ。そして、クラブにとっては全国リーグへ昇格することによって地域コミュニティの注目を集めることができるはず。そうなれば、スポンサーの獲得や行政の支援という意味でもプラスになることだろう。
だが、逆にいつまでも地域リーグにとどまっていては、クラブの発展が難しくなる。
しかし、JFLへの昇格のための関門となる「地域サッカーチャンピオンズリーグ」という大会を勝ち抜くのはきわめて難しい。
この大会は普通のカップ戦以上に運不運に左右される要素が大きい大会だからだ。
まず、「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ」は12チームの参加で行われる。各地域リーグの優勝チームだけでなく、全国社会人選手権(今年は中止)の優勝チーム、さらにJリーグ百年構想クラブ、地域リーグ2位の中でJFL昇格を希望するクラブが参加できるのだが、その決定方法はかなり複雑だ。
しかも、12チームによる大会なので4チームずつ3グループに分かれた1次ラウンドの1位チームに加えて、2位の中の成績最上位チームが勝ち残る。異なったグループの成績を比べるわけで、この「2位の中の成績最上位」に入るのには幸運が必要となる(今年の大会では、北海道十勝スカイアースがグループ2位として決勝ラウンドに勝ち上がったのだが、3戦全敗に終わった)。
さらに、1次ラウンドは3日間休みなしの連戦で行われ、決勝ラウンドも中1日の休養を挟んでの連戦となるので体力勝負となってしまうし、守備を固めてカウンターに頼るといった戦い方が有利になりかねない(かつては決勝ラウンドも休養日なしだった)。
各クラブの将来にとって非常に重要な大会なのだ。なんとかレギュレーションを合理化し、力のあるチームがJFLに昇格しやすくなる方法を考えるべきなのではないだろうか。