■報われたスウォビィク

 この試合でガンバに打たれた枠内シュートは1本だけだった。勝てなかった試合のどれよりも、スウォビィク自身のプレーは目立たなかった。耐え続けて、ビッグセーブを連発して孤軍奮闘してきたこれまでの試合の方が輝いていた。しかし、的確なコーチングで危険なシュートにさせなかったり、シュートになる前にクロスボールを適切な判断で処理したりしたことでそうなったのだ。ごく普通、だが、ビッグセーブをせずに勝利できるならば、それに越したことはない。

 報われなかったそのハイパフォーマンスは、目立たない完封勝利、という形でようやく報われた。耐えに耐えてきた彼にようやく訪れた安息。それを目立たずに迎えられたのは、この上ない展開だった。

 ガッツポーズと笑顔の後、チームメイトの輪に加わる前に、スウォビィクは守っていたゴールに向かって走った。

 彼は前後半のキックオフ前に、向かって左のゴールポストにグローブを重ねてキスをする。その光景をもう一度見られるのかと思いレンズで追ったが、同じではなかった。

 胸のエンブレムに手を当て、拳にキスをし、軽いシャドーボクシングのように右のポストを優しく叩いた。それは喜びを噛み締めているようにも、戦友を労っているようにも、唯一無二の親友とじゃれあっているようにも見えた。

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