■ユース年代を卒業した選手に活躍の場を
日本ではJリーグクラブを中心として育成組織は十分に機能していると言っていいだろう。そのことは本場ヨーロッパのクラブで活躍する選手が増えていることからも明らかだろう。そのレベルをさらに上げて、ヨーロッパのビッグクラブで活躍する選手を育てていかなければならないのはもちろんなのだが……。
早急に改善すべきは、いかにして下部組織で育った選手に出場機会を与えるかという問題だ。U-18世代の選手には「高円宮杯U-18プレミアリーグ」というリーグ戦で戦える環境が整えられた。他のいくつかの大会も含めて、出場機会は与えられているが、そうした大会を整備してさらに充実していってほしいものだ。同時に、海外のクラブとも戦える機会はさらに増やしていきたいものだ。
そして、何よりも急務なのは、ユース年代を卒業した若手選手たちにどのようにして出場機会を与えられるかという点だろう。せっかく育てた若い才能を十分に花開かせることができないでいるクラブも多いように思える。その点で、FC東京はU-23がJ3リーグに参戦しているし、多くの選手をトップに昇格させている。注目したいクラブである。
同時に、数年後に若い選手が成長した時にFC東京がどういうチームになっていくのかも楽しみだ。柏レイソルとの試合では、その「可能性」を垣間見ることができたような気がしている。