“王者”が格下相手にアウェイで思わぬ苦戦を強いられる――。10月28日に行われたチャンピオンズリーグのグループA第2節、ロコモティフ・モスクワ対FCバイエルン・ミュンヘンの試合には、グループステージならではの魅力が詰まっていた。
この夜、UEFAにより収容者数の30%の入場が許可されたRZDアレナでは、8196人のファンが観戦したとのこと。昨季のCL王者を迎えたにもかかわらず、9000人にも満たない数は、平時であれば物足りない数だ。しかし、欧州では無観客が当たり前となったコロナ禍の今では、随分とスタジアムが埋まったような印象を受ける。この試合でドイツDAZNの解説を務めた元バイエルンのFWサンドロ・ワーグナーは「観ていて美しい、素晴らしい雰囲気だ」とコメントを残したという。
もっとも、ピッチ上で戦うバイエルンの選手たちにとっては、「難しい」「雰囲気」だったかもしれない。21日にCLでディナモ・キエフと対戦したユベントスのアンドレア・ピルロ監督は、2万の観客が入った試合について「まるで別の世界のようだった。このような状況でプレーするのは誰にとっても難しい」と振り返っている。キエフでピルロが感じたように、モスクワでハンジ・フリック監督率いるチームも「難しい」と感じたところもあっただろう。