その瞬間、山根はわずか数メートル前にいる三笘薫にボールを渡す。C大阪の選手は山根に集中しているため、三笘はフリー。山根からのパスをダイレクトでゴールネットに沈めたのだった。
これで三笘は2ケタ得点まであと「1」に迫る9ゴール。大卒ルーキーとしては素晴らしい成績だ。この試合でも、ヌルヌルドリブルは健在で、C大阪の選手はその対処に困る場面が何度も見られた。その一方で、右サイドバックの選手が、ペナルティエリア内でスーパーなキープを見せるのが川崎の強さ。
ここ数年、川崎にとって右サイドバックの適任者探しは難航していたが、今年は湘南からこの山根を獲得すると主力に完全定着し、このC大阪戦で19試合目の先発。上がるタイミング、クロス、戦術理解度、ドリブルのすべてが高レベルで、右サイドから攻撃を次々と創出していた。
山根はディフェンスの選手とは思えないテクニックを持つが、実は東京ヴェルディの下部組織出身だ。ユースチームに上がれなかったが、ジュニア、ジュニアユースと、技術を磨いた。
2位C大阪を3-1で撃破した川崎。次節は、ホームで仙台と戦う。まだアウェイサポーターが入れず、黄金色に染まるサポーターたちは等々力に応援しに来られない。9連勝に向け、川崎に追い風が吹いている。