遠藤がG大阪から移籍を「画策」したのは、これが初めてではない。

 今シーズン、“青”以外のユニフォームを着用する可能性があったのだ。2018年から第18節からG大阪の指揮を執る宮本恒靖監督と遠藤との関係性は良いとはいえず、それもあって古巣・京都への移籍を模索したことがあったのだ。

 こうしたことは、遠藤だけに限らない。選手との関係を緊密にするか、あるいはあえて疎遠にするかは、それぞれの監督の方針による。その中でも、宮本監督は選手とのコミュニケーションをあまり取らないタイプとされている。

 昨年、先発を外れるようになったときも、事前・事後に監督からレジェンドと呼んでいい7番への十分な説明はなかった模様だ。結局、2018年の先発数は「33」だったが、昨年は「20」に減少。そして今年はここまで「3」だった。インテンシティの高い攻撃を仕掛けたい宮本監督と、パスをつないで中央から崩したい遠藤のサッカー観の違いが大きかったこと、そして、それを穴埋めできるコミュニケーションがなかったことも、移籍に傾いた大きな要素といえそうだ。

 実際、宮本監督になってから、ガンバの主力選手が離脱するは初めてではない。昨年7月には今野泰幸、米倉恒貴田中達也が他チームに移籍。特に、移籍してきたばかりの田中の大分移籍は、衝撃を与えた。若手が台頭する中でベテランの離脱は納得できる部分もあるが、田中ははそれに当てはまらなかったからだ。

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