15+アディショナルタイムで2つの見せ場を作れば十分に思えたが、ウナイ・エメリ監督の見方は異なるものだった。試合後、久保についてこう語っている。

「試合前に久保と話をした。トップ下の右・左・中央のすべてのポジションでプレーして欲しいと私が思っていることを、彼は知っている。そして、それに挑戦している。彼のベストは右サイドであることは知っているが、右サイドでプレーするには、システムによってサム(チュクウェゼ)とジェラール(モレノ)との競争がある。久保が右で快適にプレーできることは分かっているが、左サイドでプレーするために成長する必要がある。今日の彼は左で頑張ったが、輝くことはできなかった」

 エメリは、久保の2つの見せ場は、“輝き”ではなかったと述べ、さらに「ゴールやアシストではなく、チームの規律の中でプレーすることに私は重きを置いている」とした。この見解は『アス』も同じで、「どういう試合状況であるかを理解していなかった」とした。

 エメリにとって、3トップを採用する場合はジェラール・モレノが最優先となり、4-4-2の場合は右にはチュクウェゼ、ジェラール・モレノは2トップの一角かセカンドトップに入ることになる。久保は、このチュクウェゼとジェラール・モレノよりも優先順位は低く、左サイドのモイ・ゴメスと争うことになるというわけだ。

 ちなみに、チュクウェゼはアラベス戦でモイ・ゴメスに代わって出場しており、左だとしても3番手になる可能性がある。だとすれば、インサイドハーフという選択肢も視野に入れなければいけないかもしれない。

 ビジャレアルでの久保の冒険はまだ始まったばかり。“小さな魔法使い”の魔術がさらに解き放たれることを祈るばかりだ。

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