J1仙台が9月26日、「緊急募金」と題したアナウンスを行った。すでに河北新報が報じていたとおり、今期末に3億5000万円の債務超過が見込まれたことから、募金を呼び掛けたのだ。クラブの発表では、〈Jリーグのクラブライセンスの維持に必要な債務超過解消への道筋はまだ見通せておりません〉と厳しい状況がうかがえる。
クラブの発表では、入場料収入が予算比5億4000万円減、スポンサー収入が予算比3億円減、合わせて予算比10億円の減少を見込んでいるという。試合数の減少で営業費用が3億円減少するものの、営業損失としては7億円。仙台の純資産は3億5600万円というから、債務超過額がおよそ3億5000万円になるということだ。
仙台は、〈今期の年間チケット購入およびファンクラブ入会の多くの方から返金不要として合計6200万円の寄付をいただいたほか、匿名で寄付金を送付いただいた方もいらっしゃいます〉という。
コロナ禍でプロスポーツを取り巻く環境は厳しいが、債務超過見込みをクラブが公表して募金を呼びかけるのはかなり異例で、J1では初めてとなる。仙台の場合、街の経済構造や2011年の東日本大震災の復興半ばという地域性もあって、コロナ禍の影響はより厳しいものだったと考えられる。