そして、苦しむチームのために戦うことができない悔しさを持つ選手もいる。FC東京戦でベンチ入りしながら出場機会のなかった飯尾竜太朗である。関口が最後に引き上げたあと、飯尾は一人でピッチに再び出てくると、黙々と走り続けた。業者が撤収作業に追われる中で走り、スタジアムの照明が最低限に落とされても足を止めなかった。途中からスタッフが一緒に走ってくれるまで、彼は独りで試合後のピッチを踏み続けた。
関口のようにピッチで戦う選手もいれば、飯尾のようにピッチで戦えない悔しさを持つ選手もいる。兵働のように声を掛けてチームを鼓舞すれば、川浪のようにキャラクターで貢献する選手もいる。
次節の横浜M戦まで、中2日。この短期間では新たなチャレンジはできないが、試合に出る選手もそうでない選手も、総力戦となって戦う姿勢がこのチームにはある。ピッチ内外でマイナス材料の多い仙台だが、杜の都から世界中を照らすために、何が何でもこの状況を打破してみせる。