MF道渕諒平のボレーシュート、FW長沢駿のヘディングシュートなど、後半に作ったいくつかのチャンスを決めきれず、仙台は味スタで白星も勝ち点も掴むことができなかった。FC東京に0―1で敗れ、16戦で2勝5分9敗。そして、4連敗で7戦未勝利。
チグハグだった前半と違って、両サイド深くからクロスを上げたこと、最初の45分はなかなか前線に顔を出すことができなかった椎橋慧也が後半には前に上がってシュートを撃つなど、後半は見違えるように試合内容はよくなった。
それでも、結果を出せなかったことには変わりがない。昨年4月28日の第9節G大阪戦で渡邉晋前監督が3バックから4バックに舵を取った時に久しぶりの勝利を掴んだことを考えれば、FC東京にとってこの“奇襲”に混乱してほしい部分もあったはずである。
そして、冷静に見たとき、FC東京戦の後半を見ただけで仙台の“光明”を見たとは判断できない。ミッドウイークを戦って中2日のFC東京が守備の強度を下げざるを得ない状況でそこを突いたことと、仙台が“攻めの共有認識”を持てていないことは別だからだ。
4バックにしろ、3バックにしろ、まず持つべきは、チームの戦い方だ。相手の強度が高い状況でも、ボールを保持してからの“攻め筋”を持つことである。前半を見る限り、そしてここ数試合を見る限り、その点では非常に危ういと言わざるを得ない。
敗戦後、選手がピッチから引き上げる中で、関口訓充だけは、ベンチでずっと頭を抱えていた。悩める仙台にあって、どんな試合であっても関口はピッチ上で真っ先に相手の戦術を読みとってそれに対応し、チームを助け、声を出し続け、走り続けてきた。だからこそ、この結果に人一倍悔しさを持っているのだろう。