J1仙台「折り返し前の選択」(1)「3バック」と「川浪吾郎のベンチ入り」の画像
後半、シュートを放つMF道渕諒平 撮影:中地拓也
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 2勝5分8敗で、17位。3連敗中で、6戦未勝利。

 しかも、地元メディアである河北新報には、3.5億円の債務超過まで報じられた。そんな苦しい状況で戦う舞台は、過去1勝2分11敗と相性の悪い味の素スタジアム。プラス材料を探すのが苦しいほどに、仙台は泥沼にいた。

 2020シーズンのJ1折り返しまであと2戦に迫った中で、木山隆之監督はシステム変更を決断した。今季初めて、スタート時点から3バックを導入したのだ。第15節の鹿島戦の途中から用いたものの、90分通してとなれば、昨年、渡邉晋監督が4バックに変更する以前に遡らなければならない。

 C東京戦に向けて練習していたという3バックは、シマオ・マテを中央に、左に平岡康裕、右に特別指定選手で来期加入が決定しているアピアタウィア久を置いた形だ。全体のシステムとしては3-4-3である。

 このタイミングで3バックを導入するのはいくつか理由が考えられるが、試合後に木山監督が「まずしっかり失点をしないように」と話したことが実際に最も大きい理由だろう。

 FC東京の3トップは、誰が出ても個の力やスピードを前面に押し出してくる。いつもの4バックであれば、2センターバックで3トップと対峙する場面も出てくる可能性がある。前節の大分戦では、DFシマオ・マテが負傷離脱から戻ってきたものの、調子が上がり切らない中で振り切られて失点してしまった場面もあった。

 最初から、3トップに3バックをぶつけることで守備の役割を分かりやすくすること、そして、両ウイングバックがサイドをケアする5バック状態になることも視野に入れたものだったのではないか。

 中盤中央に、椎橋慧也浜崎拓磨を置くことは今までもやってきた。長沢駿、ジャーメイン良、関口訓充を前線に置く事も、関口の立ち位置以外には変わりはない。ただ、メンバー選考にもう一つ変化があった。それは、GK川浪吾郎のベンチ入りだ。

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