また、スポンサー収入料は現在、表立って大きな問題となっている例はないが、実際には減少している可能性がある。試合の日程変更、収容人数の制限、試合と絡むイベントの中止などが起きているから当然だろう。また、試合がなければグッズ収入もなくなる。クラブにとっては二重、三重に収入を絶たれている状況で、J1札幌の野々村社長は、「(最悪の場合)10月にキャッシュが尽きる可能性がある」とまで明言している。

 仙台や鳥栖だけの問題ではなく、すべてのクラブに死活問題となるコロナ禍でのJリーグ運営。今後の感染状況、ワクチンの状況といった医療面での環境に加え、それが解決されとしても、以前のように人が外出し、サポーター個人個人の仕事が復活し、お金を趣味に使うといった社会的環境が戻ってこなければならない。そうでなければ、リーグ全体で、収入・支出の大幅な変更に舵を切らなければいけない。

 今年に関しては、「債務超過に陥ったクラブは、リーグ参加資格となるクラブライセンスをはく奪する」というJリーグの条件が特例措置で履行されないが、来年以降はまだ何も決まっていない。J1、J2、J3の56クラブ全体の問題として、地方・大都市といった立地状況、巨大スポンサーの有無といった経済的状況なども含め、見つめなおす必要がある。

 この状況下では、Jクラブすべてが仙台の“予備軍”なのだから。

 

 

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