J1ベガルタ仙台「債務超過報道」を考える(2)浦和、横浜M、神戸、G大阪……数えきれない“予備軍”の画像
J1を独走する川崎。だが、スタジアムの観客席はソーシャルディスタンスのための空席が目立つ 撮影:中地拓也
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 9月18日に河北新報が報じたJ1仙台の債務超過報道は、他のクラブにとって決して他人事ではない。

 Jリーグによる2019年度のクラブ経営情報資料によれば(以下の数字も同)、仙台のスポンサー収入料は18位、入場料収入は14位と低迷している。しかし、この数字は大きくても小さくても、この新型コロナウイルスが個人の生活を制限する環境では厳しいものとなる。小さいクラブはなけなしの収入がさらに少なくなり、収入が大きいクラブはその数字がごっそり消えることになるからだ。

 現在、スタジアムで受け入れられる観客数は政府の要請により5000人に制限されている。9月19日から段階的に増やし、スタジアムの収容人数の50%までの入場が認められることになる。ただし、観客同士の間隔を1メートル以上空けるために、実際にそこまで踏み切るチームは少ない。J1仙台はこれまで3400人を上限としていたが、19日以降もこの数字は変わらない。

 他にも、6万3700人を収容できる埼玉スタジアムのJ1浦和は、9月20日の川崎戦以降しばらくは7000人をマックスとして運用する。横浜は、鳥栖戦以降は日産スタジアムではなくニッパツスタジアムをしばらく使用することもあって、上限は約3800人。4万9970人が入る味の素スタジアムで試合を行うFC東京は、しばらくは上限5000人を維持する。MFイニエスタの加入で注目を集める神戸も、ノエスタの収容人数が3万人超えながら上限は7500人に抑える。
 昨年の入場料収入で上位のクラブ、つまり、1位:浦和(23億円)、2位:横浜M(12億8600万円)、3位:神戸(12億6000万円)、4位:G大阪(12億4700万円)、5位名古屋(12億2100万円)、6位FC東京(11億400万円)といったクラブは、この数字の大きな減少を覚悟しなければならない。仮に、この数字が1年だけだとするならば、仙台のように債務超過となるクラブは少ないかもしれないが、2年、3年と続く場合、どのクラブにとっても経営は厳しいものとなる。選手の年俸やチケット代の見直しなど、大幅に運用状況を変えてくるクラブが出てきても、おかしくはない。

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