メッシの退団騒動で揺れたバルセロナが初実戦に挑んだ。相手は、ジムナスティック・タラゴナでスペイン3部のクラブだ。FWルイス・スアレスやMFイヴァン・ラキティッチがすでにチームを去り、DFジョルディ・アルバ、MFセルヒオ・ブスケツへ“戦力外通告”を出すなど、チーム改革に乗り出した、新たなバルセロナの監督、ロナルド・クーマン監督。
一方で、オランダ代表選手3人の獲得を熱望していたほか、クラブが売却する方針でバイエルン・ミュンヘンにレンタルで出していたMFコウチーニョを呼び戻すなど、昨シーズンとの違いを感じさせていた。“戦力外選手”の起用やメッシとの折り合いが気になる中での、ラ・リーガ開幕に向けたプレシーズンマッチとなった。
注目を集めるスターティングメンバーだが、システムは伝統の4-3-3ではなく4-2-3-1を採用。メッシはトップ下に位置で先発した。FWに入ったのはアントワーヌ・グリーズマンで、左サイドにウスマン・デンベレ、右サイドにペドリが並んだ。中盤の底には2枚並び、右にセルヒオ・ブスケツ、左がカルレス・アレニャ。最終ラインは、左からジョルディ・アルバ、ラングレ、ピケ、セルジ・ロベルトで、GKはネトが務めた。
ジョルディ・アルバ、セルヒオ・ブスケツの“戦力外選手”がスターティングメンバーに入った一方で、コウチーニョが控えに。そして、U-21スペイン代表MFペドリがメッシと並んで先発入り。昨シーズンを踏襲しながらも、独自色を加えたといった印象だろうか。大刷新を図ると思われただけに、意外な先発と言えよう。
バルセロナ公式ホームページでは、「中盤3選手が機動性を持って動き」「フィールド全体を使い」「サイドバックが大きく攻め上がる」と説明しているが、おそらくこれがクーマンが目指す方向なのだろう。サイドバックの攻め上がりはこれまでのバルセロナでも見られたが、ジョルディ・アルバはその点で世界有数の選手であり、アルバ以上の選手を見つける困難さが、先発を継続させた要因かもしれない。