レアル・マドリーの瑕疵「ハメスとベイル」指揮官ジダンとの「運命の溝」の画像
レアル・マドリー監督 ジネディーヌ・ジダン 写真:代表撮影/ロイター/アフロ

 完璧な選手マネジメントで、リーガエスパニョーラの優勝を決めた。

 2019ー20シーズン、リーガを制したのはレアル・マドリーだった。ジネディーヌ・ジダン監督率いるチームが、16ー17シーズン以来の3シーズンぶりとなるクラブ史上34回目のリーガ優勝を成し遂げた。

 「完璧な選手マネジメント」と形容したが、ジダン監督が扱いあぐねた選手がいなかったわけではない。その筆頭がハメス・ロドリゲスとガレス・ベイルだ。

ハメスの輝き

 ハメスは2014年夏にモナコからマドリーに移籍した。同年に行われたブラジル・ワールドカップでコロンビア代表の10番を背負い、左足のキャノン砲を武器に母国をベスト8に導いた選手にフロレンティーノ・ペレス会長が目を付け、移籍金8000万ユーロ(約99億円)で取引が実現した。

 カルロ・アンチェロッティ当時監督の下、ハメスはビッグクラブで輝きを放った。14-15シーズン、リーガで29試合に出場して13得点を挙げた。だがアンチェロッティがクラブを去ると、暗雲が立ち込める。後任のラファエル・ベニテス、ジダンはアンチェロッティほどに彼を重宝しなかった。

 16-17シーズン、ハメスはジダン・マドリーで貴重な戦力になっていた。だがそれは「プランB」として、だった。そのシーズンのプレータイム(全体の33%)はハメスを満足させるものではなく、2017年夏にレンタルでバイエルンに移籍した。

 ジダン・マドリーにおけるハメスの2度目の挑戦は実らなかった。19ー20シーズン、14試合出場(出場時間728分)を記録。しかし、最終的には移籍を見据えたハメスが自らベンチ外にするようにジダンに申し出た。

 マドリーにとって、本音としてはハメスの存在は頭痛の種だっただろう。800万ユーロという高額な年俸を受け取りながら指揮官の構想に入っていない選手だったからだ。マドリーはエヴァートンと移籍金2500万ユーロ(約31億円)で合意に達し、ハメスは三度(みたび)アンチェロッティの下でプレーする。

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