■トレーニングにも活用可能

 さらにオヤルサバルの15項目(シュート、ゴール、失点、パス、クロス、ドリブル突破、セットプレイ、ボールキープ、タックル、インターセプト、デュエル、クリア、インターベンション(※2)、セーブ、ファウル)の全てのビデオクリップが自動で生成され、成功、失敗やプレイエリアから、そのイベントをフィルタリングすることができる。

 エディタ機能を使用すると、そのビデオクリップ上に矢印やスペースなどの画図を書き込むことができ、オンラインアカウントを通じてすべてのチームメンバーと共有できるのである。しかもそれは自チームだけの映像ではなく、相手チーム・選手誰でも、である。つまり、コーチ陣は試合後すぐに180°パノラマ映像を見返すことができる。また、チームや選手のイベント毎にその現象を分析・共有することができるのである。選手は試合後に自宅で、自身のプレーを丹念にチェックすることもできる。

 レアル・ソシエダはこのシステムを公式試合だけでなく、トレーニングにも活用し、トレーニング時から選手間のコンビネーション、パスの方向や流動性、得点・失点パターン、攻守においての選手のポジショニング、選手間の距離感やバランスなど、の改善に努めている。アルグアシル監督が掲げるパスサッカーの理想を実現するためにBeproを活用しているのだ。

(※1)デジタルブラジャー…GPSデバイスを入れるポケットが付いたブラジャー型装具。GPSにより選手の位置情報や選手の走行距離などパフォーマンスデータを取得する。

(※2)インターベンション…ボールは奪いきれなかったが、相手ボールに触れた場面のこと

※第3回(終)9月11日公開予定につづく

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