コロナ禍による過密日程や交代枠の増加で、若手選手の出場が増加している今年のJ。その中で、すさまじいポテンシャルを見せつけている選手がいる。FC東京の19歳・中村拓海だ。
中村は、J1初出場となった8月23日の12節の湘南戦に続き、2戦連続スタメンとなった8月26日の鹿島戦で得点に絡む。前半アディッショナルタイム、MF三田啓貴が右サイドでボールを持つと、中村が裏抜けを狙ってスプリント。その際。右のハーフスペースを縦に駆け上がり、パスを受ける。すぐに体をゴールに向けるも、鹿島のMF三竿健斗が対峙。コースを完全に切った、かのように見えた。
しかし中村は、その三竿の股下を抜いて、ゴール前で待ち構えるFW原大智にボールを出したのだ。これに鹿島のDF関川郁万がたまらず足を出してしまい、オウンゴールとなってしまった。
味方がボールを持った瞬間に走る場所の見定め、そしてボールコントロール、股下を抜く冷静さ。そのすべてが、中村のポテンシャルを発揮したものだった。FC東京はその後、鹿島に逆転負けを喫するが、中村にとっては自信につながる一戦だった。