大槻毅監督の目指す“新しい浦和”の構築に向けて試行錯誤を繰り返してながら、まずまずの結果を残していることになる。では、大槻監督が目指している4-4-2のサッカーとはそもそも何か。
おおまかにいえば、できるだけ相手陣内に押し込み、高い位置でボールを奪って、ショートカウンターを仕掛けるサッカーだ。
それを踏まえ、この7試合、攻守両面でどのような良い面や課題があったのかを挙げたい。
まずは攻撃面だが、良い面は左サイドバックで7試合すべてに出場する山中亮輔の存在だ。4バックのシステムになって、最も生き生きしている選手である。
昨シーズン、リーグ22試合に出場したが、本来の力を発揮できず、後半はベンチ外になることも少なくなった。
しかし、山中は運動量を生かしたオーバーラップと精度の高いクロスで2アシスト。鹿島戦で、MFエヴェルトンの決勝ゴールのお膳立ては山中のフリーキックから生まれた。
また、左MF汰木康也との連係は好材料となっている。タメを作った汰木を追い越して、山中がオーバーラップ、あるいは山中のパスからフリーで受けた汰木が中に仕掛けるといった連携が見られ、左サイドでの攻撃の形が確立しつつある。
またこれまでの3バックでは、サイド攻撃において単騎突破が多かったため、攻撃が単調となり、相手に奪われるとカウンターを受ける危険があったが、4バックでは攻撃でも守備でも少なくとも2人で対応できる利点がある。