■新たな課題は”登録制度”について

ーー凄い数に膨れあがりますね。

  それが2015年に560万人くらいいて、それをどんどん増やしていこうとやってきました。そこのところは登録していなくてもやろうということを決めましたし、逆に、中には我々が融資したクラブの中には、「20名は登録しているけど、30名は登録していない」というクラブもあって、逆にそういうのが今回は凄くわかったんですよ。

 だからそういう意味では、今度はそういう人たちにどう登録していただけるよう働きかけるか。そのためには個人登録制度をもっとしっかりとやらないといけないかもしれません。少年団では簡単に移籍できない弊害があるとかも聞いています。

 逆に言うと、今回は支援制度を実施したことで、登録制度の見直しをしなければいけないことを改めて強く感じましたし、「登録しいていない選手を登録したら、かなりの人数になるぞ」と、その実感、手応えを受けました。登録選手を増やすことはサッカーの裾野を広げることにつながります。それは普及と強化の両輪に直結しているだけに、見過ごすわけにはいきません。

 これについて我々はしっかりと対策を練ります。お金を貸したり返したりではなく、登録をもう1回見直そうということにもなりました。

ーー登録制度は日本サッカーにとって根が深い問題ですし、時間もかかるのではないですか。

 仰る通りです。例えば4種の選手たちのなかで、移籍したくてもなかなか移籍できない。その根本はクラブが登録しているという制度なんですね。本来は個人が登録しているわけであって、そのことをもう少し徹底していかなければいけない。登録の制度そのものをしっかり見直す必要があると思います。

 登録は、試合をするためのものではありません。試合をするためには大会参加費が別に必要になります。では登録費は何に使うかというと、例えば指導者を育てて、皆さんに質の高い指導をしたり、レフェリーを育てて審判をお願いしたりしています。

 それからフットボールセンターには約200億円近くのお金を使っていますけど、フットボールセンターを各県に造ったり、この融資制度も、そこから来たりしているということを皆さんにはご理解していただきたいですね。

 そして、こういうときにこそ使うんだと。それは多くの皆さんが登録費を払っていただいているからこそ可能になったのです。

 以下、次回に続く。

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