■借金してでもクラブを守りきる覚悟

ーーとりあえず6月の末で第1次財政支援事業を締めますが、予算の5億円をほぼ使い切ってしまいます。7月以降に継続させるための予算の目処は立っていますか。

 いまは、今まで先輩方が貯めてくれたお金、例えば女子サッカーのワールドカップ招致のために貯めたお金などいろんなものがあり、そこをまずは取り崩しました、特定預金の中から。そしてその中から5億を第1次の財政支援事業に使いましょうということで使いました。

 そして第2次は、今度は47都道府県協会、9地域協会、リーグや組織ーーフットサルリーグや連盟、そういうところを助けるためにいくらお金を使うか、いま調べているところです。まず5億円を使いましたから、次の予算どうするかということになってくると思います。

ーー財政的には、困窮したクラブの選手からは登録料を取らない。Jリーグなどの公式戦からの入場料の3%の徴収も免除しますと。これだと出て行くばかりで収入はあるのですか。

 ただ、これまで先輩方が貯めていたお金というのは、逆に言えば「こういうときに使わないでどうする」と先輩方も言うのではないでしょうか。100年に1度のコロナのようなことが起きているわけですよね。しかも世界中で起きているわけです。この時のために逆に蓄えていたわけですし、それは「使おう」ということで、理事会で意思決定しました。

 もしも今後コロナの第2波が来たりしたら、もっと使わないといけないし、もっと取り崩さないといけないかもしれません。もしも万が一、Jリーグが第2波とかでできなくなったとしたら、今度は桁の違うお金を融資したりしなくてはいけなくなります。

 幸いJのクラブもJリーグも、すでに融資を受けているクラブがほとんどですけど、今後どうなるかわからないことを考えると、我々はその準備をしなければいけないし、ある意味、借金をしてでも日本サッカー協会という立場であれば、借金をしてでもそこはサポートしなくてはいけないという覚悟を持っています。

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