■トップ下システムを好まない監督からの使われ方
――彼のベストポジションはトップ下ですが、モレノ監督は右サイドでの起用にこだわっています。
「私も彼のポジションはメディアプンタ(トップ下)だと思う。問題はビセンテ・モレノがトップ下を置かないシステムを好むことだ。セグンダで戦った昨季も同じようなことがあった。ビジャレアルからレンタル移籍していたレオ・スアレスという選手だ。タケとよく似たタレントを持つメデイアプンタだったのだが、ビセンテ・モレノのシステムにトップ下は存在しないため、常にどちらかのサイドで起用されていた。ダニ・ロドリゲスにも同じことが言える。
ビセンテ・モレノはベースとなるシステムは維持しつつ、手元に有するタレントを併用する形を模索しているように思える。レバンテ戦で先発した選手たちが現状のベストメンバーであることは明らかだ。残る試合もあのメンバーで残留を目指すことになるだろう」
――たとえばアトレティコ戦では、久保選手のいる右サイドから何度も崩されていました。そのような状況では久保選手を2トップの一角に移し、ダニ・ロドリゲスを右サイドのカバーに回した方が守備も安定するし、久保選手をカウンターの起点にすることができたと思うのですが。
「確かにアトレティコ戦では右サイドに問題を抱えていた。久保は守備より攻撃を意識してプレーする選手だが、それよりも問題は右サイドバックにポソを起用していることだ。彼は本来攻撃の選手なので、守備が得意ではない。そうでなくともマジョルカの両サイドバックはウィークポイントであり、周囲のサポートが不可欠だ。だからダニを右MFに移せば守備は安定したかもしれない。ただマジョルカが抱える問題は守備面で計算できるサイドバックがいないことなんだ」
現在、降格圏内の18位のマジョルカ。残り3節、久保はチームを1部残留に導けるのだろうか。
(番記者ロマンへの直撃インタビューは後編に続く)
カルロス・ロマン Carlos Roman
1999年よりマジョルカの地元紙『UltimaHora』の記者を務める。2005年よりRCDマジョルカ担当。