■マジョルカは新加入選手には困難なチーム

――シーズン前半は定位置を確保するのに苦労しました。先日、ビセンテ・モレノ監督は加入当初と比べて別人のように成長したと話していましたが、具体的にどこがどう成長したと思いますか?

「より経験を積み、成熟した選手になった。彼はまだ20歳にも満たない若者であるだけでなく、加入時はプリメラのような困難で要求の高いリーグでのプレー経験もなかった。しかもマジョルカは2シーズン前からほぼ同じメンバーで2シーズン連続の昇格を成し遂げた完成されたチームであり、新加入選手がポジションを得るのは容易ではない。彼が苦労するのも当然だよ。

 それでも彼はビセンテ・モレノに与えられたチャンスをよく生かした。彼は決して諦めることなく、常に成長し続けるための努力を怠らない選手だと思う。それはプレーからも伝わってくる。試合を重ねる中で経験を積み、最終的には監督を納得させ、重要な存在になってみせた。プリメラで十分な経験を積んでいけば、2、3年後にはラ・リーガを代表する選手になれる可能性もあるだろう」

――シーズン前半は周囲が久保選手にパスを出せる時でも出さない場面もありましたが、次第にボールが集まるようになってきました。

「それは自然なことで、意図してやっていたことではないと思うよ。先にも話した通り、マジョルカは2シーズン前からお互いをよく知るメンバーでセグンダB(2部に次ぐ3番目のリーグ)、セグンダ(2部)を戦ってきたチームだ。だから異なる特徴を持つ選手が新たに加わったことで、当初は違和感が生じたのだろう。タケは開幕後に加入しており、プレシーズンのトレーニングに参加していなかったからね。だからタケの方が試合だけでなく、日々のトレーニングを通してチームメートに馴染んでいったのだと思う。

 今ではチーム内で最も愛されている選手の一人だ。時間をかけて連携を高め、またタケ自身が必要とされた際にチームをけん引できる存在であることを証明していくことで、最終的には周囲を納得させることができたのだろう」

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