■戦術も機能して完成度は高い

 大躍進を遂げたのが00年代前半だ。セルビア代表のダルコ・ミロシェビッチ、トルコ代表のニハト・カフベチ、ロシア代表のヴァレリー・カルピン、そしてシャビ・アロンソと多くのタレントを擁し、02ー03シーズンはR・マドリードと優勝を争った末の2位、翌03ー04シーズンはCLでベスト16進出と、ヨーロッパの舞台でも爽快な進撃を見せた。

 この当時のチームで異彩を放ったのが、大型CFのミロシェビッチと俊敏なセカンドトップのニハトの凸凹コンビ。息の合った連携でお互いの長所を引き出し合った2人は、02ー03シーズンに合わせて43ゴールを奪うなど、破壊力を見せつけた。

 今シーズンの好調を支えているのは、左サイドからのチャンスメイクが光る生え抜きのミケル・オジャルサバル、左足のパスで攻撃を方向付けるミケル・メリーノ、そしてドリブルとパスで違いを作る、R・マドリードからレンタル中のマルティン・ウーデゴールだ。

 特にウーデゴールは、ノルウェー代表であのアーリング・ハーランドと並びたつほどの才能の持ち主で、久保と同じくレアルが保有権を持つ選手だけに、両者がチームメートとなることがあれば、さらなる注目を集めることは間違いない。

 プレッシングからのショートカウンター、ビルドアップからの崩しと、2年目のイマノル・アルグアシル監督の戦術もよく機能しており、再開後は苦戦が続くが、チームとしての完成度も高い。その点では、仮に久保が入ったとしても、比較的スムーズに適応できる環境と言えるかもしれない。

 はたして、移籍の報告が聞かれる日はいつになるのか。注目して待ちたい。

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