モハメド・サラー 写真:ロイターアフロ
モハメド・サラー 写真:ロイターアフロ

 新型コロナウイルスの感染拡大で3月7〜9日の29節を最後に中断しているプレミアリーグが、6月17日に再開する。28節順延分の2試合、マンチェスター・シティ対アーセナル戦、アストン・ビラ対シェフィールド・ユナイテッド戦が17日に行われ、19〜22日の4日間で30節の10試合が開催される。各チーム週2試合のペースで、試合はほぼ毎日続き、7月25日で終了する予定だ。

 ベスト8が出揃ったところで止まっていたFAカップも6月の最後の週末に再開し、27〜28日が準々決勝、7月18〜19日が準決勝、8月1日が決勝という日程が決まった。準々決勝のカードは、レスター対チェルシー、ニューカッスル対マンC、シェフィールド・ユナイテッド対アーセナル、ノーリッジ対マンチェスター・ユナイテッドだ。

●優勝争い

 リバプールが30年ぶりのリーグ優勝に王手をかけている。2位のマンCに勝点25の大差をつけ、あと2勝すれば優勝決定だ。仮にマンCが順延分のアーセナル戦に敗れた場合はあと1勝、つまり21日の再開初戦のエバートン戦に勝てば決まる。宿敵エバートンとのマージーサイド・ダービーが、1990年以来の悲願の優勝の舞台となれば劇的だ。

●CL出場権争い

 チャンピオンズリーグ(CL)の出場権を得るのは1〜4位で、優勝目前のリバプールは事実上確定。2位のマンCも勝点状況的には有力だが、ファイナンシャル・フェアプレー違反でCL出場禁止処分を受けている(ヨーロッパリーグとともに来シーズンから2年間)。マンCはスポーツ仲裁裁判所に異議申し立てをしたが、これが退けられた場合は処分確定となり、彼らが手にするはずの出場権は5位に渡ることになる。

 3位以下の状況は、3位レスターが勝点53、4位チェルシーが勝点48、5位マンUが勝点45、6位ウォルバーハンプトンが勝点43、7位シェフィールド・Uが1試合未消化で勝点43、8位トッテナムが勝点41、9位アーセナルが1試合未消化で勝点40と、ここまでが圏内か。

 中断期間がもっとも有利に働いたのはトッテナムだろう。ハムストリングを痛めて長期離脱を余儀なくされていたエース、ハリー・ケインの戦線復帰はこれ以上のないプラス材料だ。マンUもポール・ポグバが怪我から戻ってくるが、移籍の噂が盛んに報じられるフランス代表MFはモチベーションが気になるところ。

●EL出場権争い

 ヨーロッパリーグ(EL)の出場権は5位の1枠だが、前述のようにマンCの出場禁止が確定すれば5位がCLに繰り上がって6位に出場権が渡る。さらに、マンCがリーグカップで優勝したためその出場枠がリーグ戦の7位に移り、またさらに、FAカップの結果によっては8位にまで出場枠が拡大する可能性がある。

 中小クラブにとっては千載一遇のチャンスで、勝点39で10位のバーンリー以下、同じく勝点39で11位のクリスタル・パレス、勝点37で12位のエバートン、勝点35で13位のニューカッスル、勝点34で14位サウサンプトンにまで数字的に十分可能性はある。

 優勝争いはほぼ決着しているが、マンCの事情もあって、CLとELの出場権争いは最後の最後まで目が離せない。

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