スペイン・イタリア・プレミア欧州3大リーグ「再開ロードマップ」の画像
ジョアン・フェリックス(左端=アトレティコ・マドリード) 提供:Atletico Madrid/AFP/アフロ

 ヨーロッパの主要リーグの先陣を切ってブンデスリーガが5月16日に再開。日本のJリーグは5月29日には再開時期についての指針をまとめ、7月上旬の再開が見込まれているが、ヨーロッパのその他の主要リーグはどのような状況にあるのか。ラ・リーガ、プレミアリーグセリエA、さらにチャンピオンズリーグの再開へのロードマップをまとめた。

●ラ・リーガ

 5月4日に個人練習が許可され、5月18日に人数を10人までに制限したグループでの練習がスタート。ただし、グループ同士は距離を取る必要があり、基本的に別々のピッチで練習するよう求められている。ロッカールームの使用は禁止で、練習場への行き帰りは相乗りが禁止だ。

 それでも、久々のミニゲームで汗を流したアトレティコ・マドリードのFWジョアン・フェリックスは、「最高の気分だし、興奮しているよ。チームのみんなと一緒にサッカーがしたくて、ゴールを決めたくてウズウズしていたんだ」と、グループ練習再開の喜びを語った。

 3月6〜8日の27節を最後に中断に入ったラ・リーガは、残りが11節で全220試合。6月12日に再開し、1チーム週2試合の日程で7月29日の閉幕を想定している。スペインではサッカー連盟の意向で月曜日の試合開催が禁じられていたが、連盟とLFP(プロリーグ機構)との協議で月曜開催が可能に。LFPのハビエル・テバス会長は、再開後は毎日試合を組む考えだ。

●プレミアリーグ

 アーセナルなど一部チームは4月27日から随時、自主トレのために練習場を開放していたが、全20チームが合意した練習再開日は5月19日。5人以下の少人数で、かつコンタクトなしの練習の「ステージ1」がようやくスタートした。

 ロッカールームやシャワー室など施設の使用禁止、ボールやビブスなど用具の消毒はもちろん、選手によって練習開始時間をずらし、駐車スペースも間隔を空けて事前に指定するなど、細かなガイドラインが定められたが、それでも感染のリスクがあるとして何人かの選手が練習参加拒否を表明。ワトフォードの主将トロイ・ディーニーはその一人で、「生後5か月の息子がいて、しかも呼吸に問題がある。これ以上の危険に晒すわけにはいかない」と事情を明かしている。

 そのワトフォードでは、練習再開にあたってリーグが実施した感染検査で選手1人とスタッフ2人の陽性が判明。さらにバーンリーでもアシスタントコーチが陽性だった。この4人には7日間の隔離措置が取られた。

 今回の検査結果を含めプレミアリーグ全体(独自検査を行ったノーリッジは除く)でこれまでに明らかになった陽性率は0・8%で、これは国の保健当局が発表した国内(病院と介護施設を除く)の陽性率0・25%を大きく上回る。理由は不明だが、再開に向けて気になるデータだ。

 プレミアリーグは3月7〜9日の29節を最後に中断し、残りは9節の90試合と、28節延期分の2試合の計92試合。当初は6月12日の再開を目指していたが、練習開始が5月19日にずれ込み、6月26日が現実的な日程か。

 とはいえ、コンタクトが許されるグループ練習の「ステージ2」にいつ進めるか、その目処は立っておらず、リーグ戦再開は予断を許さない状況だ。ちなみに、リーグが進めていた中立地での試合開催案は、クラブ側の反対で流れている。

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