(この記事は2018年5月25日に発行された『サッカー批評89』(双葉社)に掲載されたものです)
取材・文・撮影◎遠藤孝輔 Kosuke Endo
ドイツ勢はヨーロッパで勝てる?
――なるほど。ブンデスリーガ全体のレベルうんぬんというより、今シーズンは各チームの事情に左右された部分が大きいようですね。では、来シーズン以降のドイツ勢は再びヨーロッパで躍進を果たせるでしょうか?
「私が重視しているのはベストイレブンだけじゃなく、バックアッパーを含めたフルメンバー。例えば、シャルケ。ベンチのメンバーも充実していますし、ハノーファーのCBサネを獲得しました。問題ないと思います。ドルトムントは来シーズンから監督変わる予定ですし、いろんな選手を買わなければならない。現時点で(躍進できるかは)ビッグクエスチョン。ライプツィヒも難しくなります。ハーゼンヒュットル監督が残るか分かりませんし、ケイタはリバプールに行きます。簡単じゃないと思う」
――バイエルンの一強支配が長引き、今、ドイツでは様々な改革案が浮上しているようですね。例えば、優勝プレーオフの導入もその一つです。
「そうそう、つまらなくなったから(笑)。たしかに、最近のドイツでよく話題になっています。私はプレーオフ導入にあまり乗り気じゃない。ブンデスリーガは年間34試合あります。結構、きつい。その中でバイエルンは本当にすごくパフォーマンスを見せ、2位以下に大きな差をつけています。それこそ勝点15とか20とか。それは1年間の仕事の成果です。それで最後の最後にプレーオフだけでチャンピオンを逃すのは、ちょっとアンフェアだと思う」
――スポンサーなどがプレーオフ導入に前向きという話も聞きます。
「例えば、テレビはもっとお金を出すからと言って、いろいろなことを試したがる。彼らにとって面白いことをやろうと。私の意見としては、純粋にサッカーのことをもっと考えてほしいです。ブンデスリーガは週末に計9試合開催しています。その中の2~3試合は面白い。でも、他の6~7試合は面白くない。なにより、サッカーを観に来るサポーターのことを考えてほしいです。良いサッカーが観たいね。プレーオフとかじゃなくて、そういうことを考えた方がいい」