「アジア開拓」を果たした経営手腕

 また、札幌の特筆すべき点はクラブ運営だ。自身も札幌でプレーした元Jリーガーの野々村芳和社長は2013年に札幌のトップに就任すると、小野伸二や稲本潤一といった元日本代表を獲得するなど、話題を提供。こうしたビッグネームのベテランは、若手など札幌の選手たちにピッチ内外で豊富な経験を還元し、好影響を与えた。浦和監督を解任されたペトロヴィッチ監督にすぐさま動いたのも、野々村社長だった。

 外国人選手の獲得でも、先見の明を見せた。東南アジアへのアピールを狙うJリーグで、2013年にはベトナム代表のレ・コン・ビンを獲得した。2017年に加入した「タイのメッシ」と呼ばれるチャナティップは、ペトロヴィッチ監督のサッカーに順応し、主軸としてプレー。2018年には、東南アジア出身選手として初めてリーグのベストイレブンに選ばれた。札幌より早くタイ人選手を迎えたクラブもあったが、日本でのブレイクを成功させたのは札幌が日本初だったと言える。

 今季もタイ代表のGKである、タウィン・タンマサッチャーナン(←OHルーヴェン=ベルギー)を獲得した。他クラブからの移籍はブラジルからの2選手だけで、残る3人は大卒ルーキーと、今季の補強も独特。この改革路線がさらなる成長を促すのか、注目される。

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