コンサドーレ札幌
コンサドーレ札幌

北海道コンサドーレ札幌 2020年チーム展望

<戦力評価> D
<今季の目標> 1ケタ順位
<補強分析> C
<戦術> B
<フロント力> A

 

 日本での指導経験が長く、浦和レッズではリーグ優勝を争ったミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下、チームは明らかに変化している。その成長を継続できるかが、今季のテーマとなる。

 2018年にチームを預かったペトロヴィッチ監督は、前年までの守備を固めて少ない好機をうかがう戦い方から、がらりと方針を転換させた。自分たちで試合の主導権を握ろうとし、前年から失点数はほぼ変わらないまま得点力をアップ。札幌を過去最高となる4位へと引き上げた。

 続く昨季はリーグ戦での順位を落としたが、失点数は「1」増えただけで、得点数は前年の成績に6ゴールを上乗せした。J1への昇格は5回を数えるものの、自身の就任までは2年の連続残留が1度しかなかった「エレベーターチーム」を、ペトロヴィッチ監督がJ1定着の流れに乗せたと言っていい。

 また昨季は、ルヴァンカップでクラブ史上初の決勝進出を果たした。敗れはしたものの、後半アディショナルタイムに追いつき、もつれ込んだ延長戦では一時リードと、J屈指の強豪である川崎フロンターレを存分に苦しめた。リーグ戦での内容が上向きながらの結果的な成績低下、エンターテインメント性抜群ながらタイトル逸と、ペトロヴィッチ監督らしいとも言えるシーズンだったが、今季は「その先」へと進まなければならない。

 クラブが指揮官の打ち出した方向性を強く信頼していることは、このオフの動きにも表れた。Jクラブからの新戦力獲得はゼロとなったが、湘南ベルマーレへ期限付き移籍した岩崎悠人を除く既存戦力を残留させることに成功したのだ。

 ペトロヴィッチ監督はウィングバックを配置してピッチを幅広く使い、サイドチェンジや精度の高い左足キックを誇る福森晃斗らのロングボールも有効活用するなど、ダイナミックなプレーを展開させる。最前線には鈴木武蔵、ジェイといった高さと強さのあるFWを活用してゴールを狙うサッカーは、選手たちに浸透している。その継続は、必ずや力になるだろう。

 今季のルヴァン杯、リーグ戦とも、初戦ではペトロヴィッチ監督らしい「矛盾」も見えた。ルヴァン杯でのサガン鳥栖戦では、3-0で勝利したものの指揮官は内容に不満をもらした。リーグ第1節の柏レイソル戦では、4得点を許して敗れたが、指揮官は勝つ可能性も見える試合だったと評価した。シーズンが進むにつれて、その「らしさ」が吉凶どちらに転ぶのか。

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