■開幕戦では2トップがそろってゴール
フォ-メ-ションは、昨季までの3-4-2-1から4-4-2へと変更。続投となった大槻毅監督は個々の良さを活かすためだと話しており、確かにルヴァン杯とリ-グ戦は、ともに勝利を挙げている。リ-グ第1節の湘南戦でも、浦和の得点力の源となってきた興梠慎三と新戦力のレオナルドという2トップが、そろってゴ-ルを挙げた。
だが、内容的に上回っていたのは湘南で、PKを決められていれば勝利を逃していたかもしれない。戦術・戦略というよりも、汰木康也の突破力や山中亮輔のクロスなど、選手の質の差が勝敗に反映されたという印象だった。ルヴァン杯とリ-グ初戦で2試合連続2失点も喫しており、不安定さものぞく。今後の指揮官の手腕に、大きな注目が集まる。
その大槻監督の続投を決定したクラブは、2022年の優勝を目指して、今季を3年改革の1年目と位置付けている。そう宣言したのは、新設のスポ-ツダイレクタ-(SD)に就任した土田尚史氏。クラブはこれまで全体を統括していたゼネラルマネジャ-(GM)職を廃止し、SDやテクニカルダイレクタ-などトップチ-ムの強化に主眼を置いての新体制を発足させたと説いている。
その新たなシステムへの移行の成否は今後の結果をもって語るしかないが、中村修三GMはクラブ復帰からわずか2年弱で退任した。昨年から水面下で新体制移行後の方向性を探っていたというが、ここまでの動きの物足りなさには低い評価をつけざるを得ない。
「新しいコンセプトの元、大槻監督でこれから新しいレッズをつくっていく」(新強化体制発表会見での土田SD発言)という動きを、多くのファンが厳しい目で注視していくことになる。