■ 親善試合の弊害。ギグスの代表キャップ数を奪ったものと「悪名高き現FIFA会長」の暗躍

 従来、欧州のナショナルチームのターゲットは2つの大会だった。4年に1度のワールドカップと、その中間年に、やはり4年に1度開催される欧州選手権(EURO)である。その間にそれぞれの大会に向けた「予選」があり、4年サイクルで日程が回っていた。

 基本的に、「FIFAカレンダー」で試合ができるのは年10試合、4年間で40試合。それぞれの予選は8ないし10試合なので、「カレンダー」の約半数は「親善試合日程」だった。しかし強豪国においては親善試合にはファンの関心が低く、選手たちが高いモチベーションで臨むのは難しくなっていた。その一方で、欧州でも中クラス以下のナショナルチームは親善試合の「引き合い」が少なく、試合をアレンジすることが困難な状況にあった。

 例えば、1990年代から2000年代にかけてマンチェスター・ユナイテッドのスターだったライアン・ギグスは、1991年から2007年にかけて、すなわち16シーズンもウェールズ代表として活躍し、64試合に出場したが、そのうち親善試合はわずか10しかなかった。もしウェールズが「人気チーム」で親善試合をたくさん組むことができていれば、ギグスの代表キャップ数が100を超した可能性は十分ある。

 そこでUEFAは1990年代の終わりごろから「より魅力的な大会」の新設を模索してきた。2004年に始められる予定だった試験的な大会は実現に至らなかったが、新たな提案が2014年のUEFA総会(アスタナ=カザフスタンの首都)で満場一致で可決され、第1回大会が2018~19年に開催されることが決まった。

 ちなみに、当時のUEFAをリードしていたのが、ミシェル・プラティニ会長の下で事務総長を務めていたジャンニ・インファンティーノ(現FIFA会長)である。

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