なぜ日本は欧州と戦えないのか(1)6試合中5試合が南米勢の日本、ライアン・ギグスを襲った親善試合の弊害と世界を席巻するネーションズリーグの熱狂の画像
ワールドカップではオランダ、スウェーデンなど欧州2か国と対戦したが、日本代表の欧州チームとのマッチメイクは難しくなっている(写真はオランダ戦)。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 日本代表が欧州の強豪国と「親善試合」を組めなくなって久しい。その元凶であり、いまやサッカーの世界全体を飲み込もうとしている巨大な波、それが「ネーションズリーグ」だ。欧州から始まった実力別リーグ戦の熱狂は、やがてアジアにも到達する可能性が高い。分断が進む世界において、親善試合の消滅は何をもたらすのか。サッカージャーナリスト大住良之が、熱狂の裏に潜むインファンティーノFIFA会長の思惑へと鋭く切り込む。【第1回/全3回】

■ アジアにも到来か。「欧州と戦えない日本代表」の歪なマッチメイク

 今月はじめ、「アジアサッカー連盟(AFC)が2030年から『AFCネーションズリーグ』を開始」と報じられた。まだ正式なアナウンスはないが、AFCは昨年12月にこの大会の検討を始めると公表しており、ついに「ネーションズリーグ」が世界を覆う勢いとなった。

 従来9月と10月にそれぞれ9日間設けられていた国際サッカー連盟(FIFA)の「国際試合日(FIFAカレンダー)」が合併され、9月から10月にかけて16日間になった今年、日本代表は、すべて国内で親善試合(キリンチャレンジ)2試合とキリンカップ2試合、計4試合をこなした。公式には、4試合とも「親善試合」である。

 相手は南米サッカー連盟(CONMEBOL)の3チーム(ウルグアイ、ベネズエラ、エクアドル)と、オセアニアサッカー連盟(OFC)のニュージーランド。このほか、キリンカップには北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)のパナマが出場し、対戦する可能性があった。11月には、シンガポールでいずれも南米のブラジル、パラグアイと対戦する親善大会に参加する。

 通常、ワールドカップ年の秋には、日本代表は親善試合をこなす。相手はさまざまだが、近年は南米と北中米カリブ海地区のチームで65%にもなる。そして今年は親善試合6試合のうち5試合の相手が南米だったのである。欧州勢との親善試合を組むことはできなかった。欧州では、9月から11月にかけて「UEFAネーションズリーグ」のリーグステージが開催され、「親善試合」を入れる余地はないのだ。

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