ルヴァン杯へ緊急警鐘!浦和レッズ「FC東京戦・3失点惨敗」に潜む致命的欠陥(2)美しいカウンターの餌食になった負の連鎖…足を止めた最終ラインと次戦の救世主の画像
FC東京に完敗した浦和レッズ。美しいカウンターからの失点は必然だったという。どういうことか? 撮影/原壮史(Sony α1使用)

■たった一つの判断ミスが招く負の連鎖…完璧なカウンターに沈んだ必然

 明治安田J1リーグ第9節、FC東京対浦和レッズの一戦は、後半に3点を奪ったFC東京が勝利を収めた。

 浦和の敗因として指摘すべきは、まずセンターバック・根本健太(浦和・DF・23歳)の「判断の遅さ」だ。前に出てプレスをかける際への寄せが甘く、相手にターンされて振り切られる場面が目立ち、これが直接的な失点の引き金となった。

 また、後半から出場した渡邊凌磨(浦和・MF・30歳)も守備面の不安から序列を下げており、彼がピッチに立ってから3失点を喫した事実は、チーム状態の悪さを物語っている。

 前半は浦和も積極的な攻撃を見せたが、得点源の南野遥海(浦和・FW・22歳)が負傷交代するアクシデントもあって無得点。後半、徐々に浦和の守備組織に綻びが生じていった。

 では、第1回に続いて、後半の試合分析を続けよう。今回もDAZN Japanの以下のダイジェスト映像に沿って解説していくので、読者の皆様は、ぜひ実際の試合と照らし合わせて読み進めてほしい。https://www.youtube.com/watch?v=qJLP7BhCOOw


【63分】長倉幹樹の先制点の場面

 FC東京の安斎颯馬(FC東京・MF・24歳)に対し、山根視来(浦和・DF・32歳)がたまらず食いついてしまう。

 ここは山根と、金子拓郎(浦和・MF・29歳)の連携による明確な判断ミスだ。本来であれば、安斎に対しては金子がプレスに行かなければならない。そうすれば、サイドバックの山根は無理に前に出る必要はなかった。おそらく山根の視界には、金子が最終ライン側に降りてくる動きが目に入ったのだろう。

 だからこそ山根は自分のポジションを捨てて前へプレスに行った。しかし金子は、左サイドに大きく張っている石原広教(FC東京・DF・27歳)の存在が気になり、ポジションを下げてしまったのだ。もし金子がセオリー通り安斎へプレスに行っていれば、山根が石原をマークする形でバランスは保てたはずだ。

 その後、ボールは長倉幹樹(FC東京・FW・27歳)へ渡る。浦和の植木颯(浦和・FW・23歳)がプレスにいくが簡単に振り切られ、ここで根本健太の前に進行してきた長倉と1対1の状況が生まれる。根本は足先だけを出してボールを奪おうとしたが、あっさりとドリブルでかわされてしまった。

 結果として、カバーに入った宮本優太(浦和・DF・26歳)が、マルセロ・ヒアン(FC東京・FW・24歳)と長倉の2人を同時に相手にしなければならない数的不利に陥る。

 山根がプレスのために前へ出たのなら、彼の空けたスペースを金子が下がって埋めなければならなかった。そうしていれば、長倉のペナルティエリア侵入は防げたはずだ。

 たった一つの判断ミスが、次々と負の連鎖を招いてしまう典型的な失点パターン。これは単なる連携ミスというより、「マークの受け渡しのミス」と言ったほうが正確だろう。

 

【69分】安斎颯馬の追加点の場面

 1点を追う浦和レッズは、チーム全体が前傾姿勢になり、高い位置からボールを奪いに行く。しかしFC東京は、あわてることなくパスをつなぐポゼッションで、その前線からのプレスを見事に回避していく。そして右サイドの裏のスペースへボールが出される。

 オフサイドラインをギリギリで抜け出した長倉からのグラウンダーのクロスに、走り込んだ安斎が落ち着いてシュートを決めた。素晴らしいというよりも、戦術的に「美しい」展開だった。

 自陣でポゼッションして相手のプレスを空転させながら、一瞬の隙を突いて裏のスペースを狙う。浦和にとっては、前から相手を「はめ」に行っている状態からのカウンターであるため、下がりながら対応しなければならず、守備側としては最も難しいディフェンスを強いられた。

 FC東京は、そうした相手の心理と陣形を見透かした上で、ビルドアップからのロングボールを使った見事な速攻を完結させた。

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