■欧州有数のスタジアムが完成
ミラノ市民が「10万人スタジアム」と楽しみにしていたサンシーロの大改修は、わずか1年間で終わり、1955年6月29日にACミランとハンガリーのホンヴェード・ブダペストの間でこけら落としの試合が行われた。フェレンツ・プスカシュなど当時「無敵」と言われたハンガリー代表の大半を擁する人気クラブとの対戦だった。残念ながら最終的な収容人数は10万に届かず、8万2000席であり、しかもこのこけら落としには新しい2層目のスタンドに観客を入れられなかったため入場者は4万5000人にとどまったが、試合はACミランが3-2で勝った。
1957年には照明設備が4つのコーナーにつくられ、サンシーロはイタリアだけでなく全欧州を見渡しても「名スタジアム」のひとつと呼ばれるようになった。
ただ、2階席をつくったことで西側のメインスタンドにも屋根がなくなり、当初からこのスタジアムの大きな欠陥と言われた。北イタリアに位置するミラノの冬は、雨だけでなく霧に覆われる日も多く、屋根なしの観戦は観客を苦しませた。かろうじて2階席が覆いかぶさる形の1階の奥の席だけは「屋根」がある状態だったが、2万席分しかなく、6万2000席は雨に濡れての観戦となった。














