Jリーグは着実に発展を遂げている。だが、ヨーロッパや南米のトップリーグと比べて、決定的に足りないものがある。「10代の若き才能」の輝きだ。開幕戦で躍動した横浜F・マリノスの16歳・三井寺眞のセンセーショナルなデビュー戦を例に、サッカージャーナリスト・大住良之が、Jリーグをさらに成長させるためのミッシングピースをあぶり出す。
■先発はわずか2.3%。成熟したJリーグから「10代のスター」が消えた理由
Jリーグが「U-21リーグ」をスタートさせた。今季はEAST6クラブ(浦和レッズ、FC東京、東京ヴェルディ、川崎フロンターレ、清水エスパルス、ジュビロ磐田)、WEST5クラブ(名古屋グランパス、ガンバ大阪、ヴィッセル神戸、ファジアーノ岡山、V・ファーレン長崎)の計11クラブが参加している。
19歳から21歳にかけての選手に継続的な出場機会を確保するだけでなく、その試合で90分間フル出場し、試合-休息-トレーニング-試合のサイクルを身につけさせ、観客のいる環境で真剣勝負をさせることで成長を促そうというものだ。
近年、Jリーグでは「大学卒」の新人が数多く即戦力になるばかりでなく、チームをけん引する力になっている。しかしその一方で、大学を経ずにクラブのアカデミーや高校チームからプロ契約をした10代の選手の活躍があまり見られないのが現状だ。
1990年代半ば、スタートしたばかりのJリーグには、10代の若手スターがきら星のように躍動していた。GK川口能活(1994年清水商業高校→横浜マリノス)、FW城彰二(1994年鹿児島実業高校→ジェフユナイテッド市原)、中田英寿(1995年韮崎高校→ベルマーレ平塚)…。10代の選手の活躍は、Jリーグや日本サッカーの未来に大きな希望を持たせるものだった。しかし、現在のJリーグで10代の選手が活躍するのを見るのは、そう多くはない。
その背景のひとつには、もちろん、「フィジカル」の課題がある。一般に日本人男性の成長は遅く、身体能力がピークに達するのは20歳を過ぎたころと言われている。ユース(U-18)から昇格、あるいは高校を卒業したばかりの選手が、強度が高くなる一方のJリーグの試合に適応するのに数年を要するのはそのためもある。
結果として、Jリーグの試合では、ほとんど10代の選手の活躍を見ることができない。今季J1開幕節の10試合の先発220人、ベンチ入り180人、計400人の選手を見ても、先発はわずか5人、ベンチ入りも11人に過ぎなかった。先発は2.3%、ベンチ入りを含め16人は、ちょうど4%という数字である。


























