■試合前の見逃せない駆け引き
83分には湘南のMF小野瀬康介(33歳)が一発退場となる。RB大宮は数的優位に立ち、90+1分にタイ代表MFスファナット・ムエアンタ(24歳)のJリーグ初ゴールで同点へ持ち込む。
後半のアディショナルタイムは5分だった。飲水タイム、タンカによるけが人の対応、PKやレッドカードによる時間の消費などを考えれば、7分か8分が妥当だったはずである。いずれにしても、RB大宮はあと1点を取ることができず、2対2のドローで4連勝を逃したのだった。
試合前のある駆け引きが、結果に影響を及ぼしたかもしれない。
湘南の長澤徹監督は、24年から25年途中までRB大宮を指揮した。NACK5スタジアム大宮の空気感を知る指揮官は、試合開始前のコイントスでサイドを入れ替えている。RB大宮が自分たちのサポーターで埋まるゴール裏へ向かって攻めるのを、前半にしたのだった。
RB大宮が自分たちのサポーター側へ攻める時間帯は、スタジアム全体の熱量がそれまでよりも高まる。選手たちの背中を、強く押す。かつてその熱量を肌で感じた長澤監督は、「(RB大宮が)あちら側(RB大宮のサポーター側)に後半攻めていくことになったら、大変なので。ここのサポーターの力は十分承知していますし、逆側に向けたほうがいいかなと思いました」と、サイド変更の意図を明かした。
後半に2失点を喫しただけに、長澤監督は「しっかり反省したい」と振り返った。しかし、後半のRB大宮が勢いを増したのは紛れもない事実で、サイドが逆ならスコアが引っ繰り返っていたかもしれない。そう考えると、試合前の小さくも見逃せない駆け引きは、試合結果に影響していた気がする。
水曜日のルヴァンカップを挟んで迎える次節で、RB大宮はブラウブリッツ秋田とアウェイで対戦する。秋田との通算成績は4勝3分1敗と勝ち越しており、25年のJ2ではシーズンダブルを達成した。
とはいえ、敵地ソユスタでの試合はいつも難しい。過去4度の対戦で2勝しているが、いずれも1点差ゲームだった。
ここまで1勝1分2敗と黒星先行の秋田は、首位チーム撃破へモチベーションを高めているだろう。強風が吹きつけることの多いソユスタで、RB大宮は勝点3を取ることができるか。チームとしての胆力が問われる一戦だ。








