■「決勝開催」をエサに? アフリカ票を狙うしたたかな政治力

「決勝をどこで開催するか」というのは、共同開催を行う際の大きな問題だ。

 2002年の日韓ワールドカップでは、どういうわけか韓国側が開幕戦を希望したため、開幕戦を韓国(ソウル)、決勝を日本(横浜)で開催することがあっさりと決まった。また、2026年大会は完全にアメリカ主導の大会だったので、決勝はニュージャージーでの開催が決まった。

 だが、2030年大会の決勝開催地はまだ決まっていない。

 世界のサッカー界での実績を考えれば、スペイン開催が常識的だ(なにしろ、スペインは現在の世界チャンピオンである)。だが、モロッコが収容力最大の新スタジアムを建設して決勝開催を希望していると報じられていた。

 もし、本当にインファンティーノ会長が決勝のモロッコ開催を支持したとすれば、モロッコは来年3月の会長選挙でインファンティーノ会長を支持するだろうし、アフリカ・サッカー連盟(CAF)が一致してインファンティーノ会長再選を支持する可能性も高い。

 そもそも、アフリカ各国の協会の中には、ワールドカップの収益をもとにした分配金で助けられている国も多い。

 UEFAはインファンティーノ会長再選に強く反対しているが、加盟国数は55。一方、CAFの加盟国は54か国だ。もし、UEFAが結束してインファンティーノ会長に反旗を翻したとしても、アフリカ票を取り込めば相殺されるわけである。

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