水面下で練り上げられた恐るべき魂胆は、わずか4日で泡と消えた。ワールドカップを商品化し、「3兆円」もの巨利を得ようとしたFIFAの企みだ。ひとまず嵐は去ったが、根本的な問題は何も解決していない。消えた新会社設立計画の裏側と、サッカー界を覆うぬぐえない懸念を、サッカージャーナリスト後藤健生があぶり出す。
■わずか4日で頓挫した「3兆円」新会社設立の謎
いったい、あれは何の騒ぎだったのだろうか?
7月28日にFIFA(国際サッカー連盟)が「FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)」という子会社を設立する計画を発表すると、瞬く間にUEFA(ヨーロッパ・サッカー連盟)やAFC(アジア・サッカー連盟)などが反対を表明。
FIFA理事を務める田嶋幸三前日本サッカー協会会長も反対の声明を発表。インファンティーノ会長の上級顧問を務めていたカルロス・コルデイロ氏も計画に反対して辞任を表明した。
すると、FIFAは7月31日になって、あっさりと計画を撤回してしまった。
この間、わずかに4日間の慌ただしい展開だった。
FIFAが発表したのはワールドカップなどFIFA主催大会の商業的事業を担当する200億ドル(日本円で約3兆円)規模の新会社を設立しようというものだった。FFEにはワールドカップの放映権料やスポンサー事業などのビジネスを担当させ、また投資家に持ち株を分配することで42億ドル(6800億円)を調達しようというのだ。
そして、ここで得られた収益から各国協会には2030年までに2000万ドル(約32億円)が分配されるとして各協会に支持を要請。加盟協会の過半数の承認を得て新会社を発足させる段取りになっていた。




























