■他にはない独特のアルゼンチン・サッカー
「堅守」もアルゼンチン・サッカーの大きな特徴だ。
アルゼンチンで試合を見ているとDFが激しいプレーで相手の攻撃を切ると、スタンドから一斉に「ビエン!」という声がかかることが多い。日本語にすれば「よしっ!」だ。これほど、DFの好プレーに声がかかるサッカー文化は他にはないのではないか。
スペインが攻勢を保つ間、アルゼンチンはしっかりと守り続けた。
56分。スペインのダニ・オルモがポケットを取ってマイナスに折り返したクロスに左サイドバックのマルク・ククレジャが飛びこんだ場面。アルゼンチンの右サイドバックのゴンサロ・モンティエルが必死に追いついて辛くもCKに逃れた場面。まさに、「ビエン!」の声がかかるべき場面だった。
圧倒的に相手陣内でボールを保持して攻撃を続けながら、しかし、アルゼンチンの堅い守備を前に得点できずに苦しんだスペイン。普通のチームだったら焦って、攻め急いでしまう場面だった。実際に、スペインほどの力があるのなら、強引に仕掛ければゴールを陥れることは難しくなかったかもしれない。
しかし、彼らは焦ることも急ぐこともなかったし、守備面でのアラートを解くことは決してなかった。
どんなにボールを支配して優勢にゲームを進めていても、なにしろアルゼンチンにはリオネル・メッシという天才が存在する。たった一瞬でも気を緩めた隙に、ゴールを奪われてしまう危険が常に存在するのだ。
























