■ 自分の取材スタイルから逆算する「拠点の選び方」
現地観戦に訪れたサポーターの方々も同様だとは思うが、まずは「何を見たいのか(取材したいのか)」を考えることになる。まあ、わざわざ考えなくても、自分がどのタイプのジャーナリストなのか、どういう原稿の依頼が多いのかから逆算するので、結論はだいたい同じになる。
おおまかに言えば、記者は3タイプに分かれる。海外サッカーや世界のトレンドについて主に書くタイプ、日本代表に密着するタイプ、そして日本以外の特定の国に密着するタイプだ。
今大会でいえば、海外サッカーを取材し、より多くの試合を見たいのであれば、アメリカのダラスを拠点にするのが最も効率がよかった。日本の試合もオランダ戦、スウェーデン戦の2試合が行われたし、全16会場の中で最も多い9試合が割り振られていたからだ。
では、私の場合はどうか。今大会は、日本代表を事前合宿から密着取材することに決めた。メキシコのモンテレイでの事前合宿を取材し、その後、アメリカのナッシュビルに設けられたベースキャンプ(大会期間中のチームの活動拠点)を取材した。そこからナッシュビルとダラスを1往復半した。
2戦目にモンテレイで行われたチュニジア戦の取材はスキップ(見送り)し、ナッシュビルにとどまって「街取材」という名の観光の時間に当てることにした。潤沢な予算があれば、もしくは早めの準備ができていればチュニジア戦も取材にいったと思うのだが、私はそうではなかった。また、気持ち的にも体力的にも、2泊や3泊でナッシュビルとモンテレイ間を往復するのはなかなか大変だ。ということで、ここは潔く割り切った。でもこれは、6大会目だからこそできた決断かもしれない。初のワールドカップ取材だったら、無理をしてでも頑張って飛び回っていただろう。
ラウンド32のスウェーデン戦後はダラスにとどまり、長距離バスでヒューストンへと移動した。フライトやレンタカーを利用する人もいたが、ここは身軽さとコストを重視した。ヒューストンでのブラジル戦で日本は戦いを終えたため、私の日本代表取材も以上となった。
その後の選択は記者によってまちまちだ。日本代表取材をしていた記者の多くはそのまま日本に帰国したが、ダラスやニューヨークをベースにし、他国の取材を続ける記者もチラホラいた。私はロサンゼルス(LA)に拠点を移し、ワールドカップ2試合(スペイン対ベルギー、スペイン対オーストリア)を取材。さらに、7月17日に行われるメジャーリーグサッカー(MLS)のLAギャラクシー対LAFCの試合取材を、このW杯取材の締めくくりとすることにした。
【後編に続く】

































