■勝点1へつながったGK鈴木のマインドセット

 アディショナルタイムには、決定的なピンチを迎えた。

 90+2分、ペナルティエリア内右で、エランガがパスを受ける。トラップ後すぐにシュートへ持ち込んだ彼のアクションは、GKからするとタイミングを取りにくかったはずである。これも、鈴木は冷静に反応した。

 直後の左CKでは、ニアサイドのイサクがヘディングで狙ってきた。右手一本で弾き出すと、ゴール前に残ったボールをキャッチした。その瞬間、イサクは頭を抱えた。それは、途中出場のケン・セマも。

「クロスに出られないと判断したなかで、手の位置とかああいうボールが抜けてくる準備をしていたので。セーブしたあとにボールが中に残っていたので、最後までプレーをやりきる、最後キャッチで締められたのは良かったなと思います」

 と鈴木は話した。

「取りきる」というところでは、課題が残った。前半終了間際に中村敬斗が決定機を迎えており、後半開始直後には田中碧がゴール正面からフリーで狙った。田中は「後半たくさんチャンスを作ったなかで、あの時間帯でもう1点、自分自身もそうでしたけど仕留めきれれば、結果は違ったなと思います」と振り返る。

 それでも、勝点1をつかんだ。最終盤のピンチを鈴木がしのいだ。

「失点だけじゃなく良いプレーをしたあとも、ミスをしたあとも、頭をクリアにすることが一番。前のプレーは帰ってこないので、常に次、次というマインドでいるからこそセーブができる。そういったマインドセットは、続けていきたいと思います」

 2点目を許して1対2で敗れていたら、日本は3位に転落していた。それでもノックアウトステージへ進出できるが、引分けと敗戦ではチームのメンタリティは全く異なる。最終盤のピンチをしのいで耐えきったことを、ポジティブに受け止めることができる。

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(2)へ続く
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