ベルギーの地で、日本資本のクラブが未踏の領域に足を踏み入れ、最高の形でシーズンを締めくくった。シント=トロイデンVV(STVV)である。2017年の経営権取得から約8年、今季のSTVVはこれまでの「若手育成」という枠組みを超え、真の「強豪」へと変貌を遂げた。
激闘の2025-2026シーズン、優勝決定プレーオフ(プレーオフ1)を戦い抜いたSTVVは、クラブ史上最高位となる3位フィニッシュを達成。クラブ創設102年目で初となる「UEFA主催欧州大会への出場権獲得」という歴史的快挙を正式に成し遂げた。
昨季の14位から、なぜこれほどの大躍進が可能だったのか。その中心には、2018年から最高経営責任者(CEO)として現場を指揮する立石敬之氏が描いた「世界戦略」があった。【第1回/全2回】
■悲願のプレーオフ1進出と「紙一重」の壁
今シーズン、STVVはクラブの歴史上初となる「プレーオフ1」という未知の舞台に立った。欧州カップ戦の常連である上位チームとのマスタークラスの戦いを経て、立石敬之CEOは「彼らとの差は本当に『紙一重』であると痛感した」と激闘を振り返る。
「プレーオフでは退場者が出るなど難しい試合展開もありましたが、ここで過度に落ち込む必要はありませんでした。我々はチャレンジャーとして、この壁を思い切り突き破っていくだけだと信じていましたから」
そう語る立石CEOの見据える先は、単なるリーグ戦の上位進出だけではない。欧州のコンペティション(大会)の切符を掴むことは、「選手の価値を高めるだけでなく、我々を支えてくれる200社近い日本のスポンサー企業が海外へ進出する際の強力な後押しにもなる」と、ビジネスと日本サッカーの発展が直結していることを確信している。























