■「もったいない試合」

 17分に山本悠樹がドリブルで持ち込んで脇坂を経由して上がってきた右サイドバックの山原怜音に渡って山原がクロスを上げたチャンスを皮切りに川崎が攻勢を強め、19分には山本のシュートがゴールポストをかすめ、31分には長璃喜の右からのクロスに山本が合わせたボレーシュートがわずかに枠を外れる……。

 ただ、幸い(東京Vにとって)川崎側にも疲労の色が濃かったせいでパス精度を欠き、なんとか耐えた東京Vはその後の時間帯は前線からのプレスが強化されて前半を無失点に抑えることに成功。その流れを受けて、後半は東京Vが盛り返した。

 そして、61分に満を持した東京Vは染野以下の3人のアタッカーを投入。守備ラインの裏に走り込む染野を使って効果的な攻撃が見られるようになった。

 72分には、左サイドの宮原和也からの長いクロスに染野が合わせてヘディングでつなぎ、右から松橋が飛び込むビッグチャンスが生まれたが、松橋がオフサイド。

 東京Vのゴールの予感が高まってきた、その矢先の73分だった。

 東京Vのスローインを川崎がカット。脇坂とラザル・ロマニッチの大きなワンツーから抜け出した脇坂が強烈なシュートを決めたのだった。

 いつもとは違うメンバーを並べた前半はゲームを支配されたものの無失点で終えて、後半に入って流れを引き寄せた中での敗戦。城福浩監督は「もったいない試合」と振り返った。

 たとえば、前節の柏レイソル戦は90分間にわたって柏に支配され続けた中で耐えに耐え、90分に交代でピッチに立ったばかりの新井悠太のゴールで勝点3をつかみ取ったのに、である。サッカーというのは、試合内容と結果が相反する事の多い、はなはだ難しい競技のようである。

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