■あいまいさは徹底排除

「アディショナルタイム」は、2018年ワールドカップでVARが採用されて長くなりはじめ、2022年ワールドカップでは「空費された時間」をリザーブの副審がカウントして主審に伝えるという方法が使われたことで、後半だけで10分間というような時間が続出するようになった。しかしその前から、「選手交代は1回で30秒」というおおよその目安があった。後半、両チームが3人ずつ選手を代えたら(6回の交代があったら)、他に大きなプレー停止時間がなくてもアディショナルタイムは180秒、すなわち3分間という計算だった。

 今年のルール改正では、昨年の「GKボール保持8秒ルール」の成功に力を得て、選手交代とともにスローインとゴールキックでも主審による5秒間の「カウントダウン」が行われることになった。

 しかしスローインとゴールキックでの「カウントダウン」は、「リスタートを行うチームが意図的に遅延させている」と主審が判断したときに発動されるもので、主審の主観に基づいている分、やや運用があいまいだ。あからさまでない限り、主審にとって適用は簡単ではなく、「GKボール保持8秒ルール」と同様、主審によってばらつきが出るかもしれない。

 だが「交代10秒ルール」は厳然としている。「残り5秒」の時点で主審が「カウントダウン」をするという現象は同じだが、「交代ボードが示されたとき」に自動的に「残り10秒」がスタートするからだ。この新ルールが意味するものの意味を選手たちがしっかりと理解して協力し、主審たちが毅然とルールを適用することを期待したい。

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