日本の女子サッカーは前進を続けている。U-20日本代表はアジアの頂点に返り咲き、なでしこジャパンは最強国の一角、アメリカ代表と敵地で1勝2敗の戦いを演じた。その戦いぶりからは、世界との「距離」が見えてきた。日本女子サッカーの現在地、そしてさらなる高みへたどり着くための道筋を、サッカージャーナリスト後藤健生が探る。
■ありがたい「ライバル」の存在
U20女子アジアカップで日本は優勝したものの、決勝戦では北朝鮮に対して劣勢だったことは事実。
北朝鮮に内容的にも完勝するためには、彼女たちに対抗できるだけのフィジカル能力を身に着けることが必要だ。そして、後述するように、それはフル代表がワールドカップのトロフィーを再び掲げるためにも大いに役に立つはずだ。
一方、北朝鮮はあれだけフィジカル的に優位に立ち、ボールを支配しながら日本の守備を崩し切れなかった。フィジカルでの優位は、年代別の大会では有効だが、フル代表レベルでは今の北朝鮮の技術レベルでは勝ち抜くことは難しい。
北朝鮮にとっては、日本の技術的な優位に追いつく必要がある。
日本の女子サッカー界にとって、年代別の大会で常に立ちはだかる北朝鮮は実に貴重な存在だ。アジアカップでは、どの年代の大会でも、日本のボール支配率が80%、90%に達する試合が多くなる。
そんな試合を重ねても、チーム強化にはあまり役に立たないだろう。守備を固めた相手を崩すのは大変な作業だが、そんな経験が世界大会で欧米の強豪と戦う時に役に立つとは思えない。
だからこそ、年代別大会での北朝鮮や、フル代表の決勝戦で日本の前に立ちはだかったオーストラリアは、日本の女子サッカーの強化のためにはありがたい存在なのである。
















