■成長を示した「浜野の一撃」

 さて、U20アジアカップが開催されていたのと同じ時期に、女子のフル代表(なでしこジャパン)はアメリカとの3連戦に臨んでいた。

 アメリカは現在のFIFAランキングでは2位となっているが(1位はスペイン)、女子ワールドカップで過去4度の優勝を誇る世界最強国の一つだ。

 アジアカップ終了後、ニルス・ニールセン監督が事実上解任されて、監督不在の遠征になってしまったのは非常に残念だったが、“格上”のアメリカを相手に3連戦できることは女子日本代表の強化にとっては最高の機会となった。

 両国の思惑もあって、3戦それぞれが違う様相の戦いとなった。

 日本はカリフォルニア州サンノゼで行われた初戦ではミスを拾われて2点を失って競り負けたものの、アジアカップ以来好調の植木理子がアメリカのオフサイドラインの設定ミスに乗じて1点を返すことに成功した。

 そして、アメリカが若手選手を多数起用してきたワシントン州シアトルでの第2戦では、角度のないところから狙った浜野まいかのテクニカルなシュートで先制した。

 普通、「ニア上を抜くシュート」というとフルパワーのものが多い。いわゆる、「打ち抜いた」と表現されるシュートだ。だが、浜野は70%から80%のパワーで浮かせて、あの角度を狙って決めたのだ。

 浜野は、アジアカップ決勝でも早いタイミングで相手GKの意表をついたシュートで決勝点を決めている。「得点感覚」と言う意味で、浜野は何か大きなものをつかんだのかもしれない。

 いずれにしても、日本は第2戦ではその浜野のゴールを守り切って1対0で勝利した。相手がフルメンバーでなかったとしても、過去2度しか勝てていなかったアメリカを破ったことは高く評価していいだろう。

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